人材育成の目的

人材育成は何のためにやるのか、認識を合わせておく必要があります。

これからの厳しい環境を乗り越えていくためには、「人にしかできないこと」を磨き上げて、付加価値のある商品やサービスを開発し、差別化を実現していかなければなりません。

「人にしかできないこと」は、状況を把握し、どうすべきかを考え実行することです。自ら考え果敢にチャレンジをする「自律従業員」への飛躍が求められています。

自律タイプが増えることにより、商品・サービスの開発力向上、営業力の強化が期待でき、ひいては売上増・利益増という業績アップにつながっていきます。

出発点は「従業員のため」にすべきです。「従業員のモチベーションアップと能力向上」が人材育成の目的におかれていれば、やる気も生まれてくるものです。ぜひ、これを共通認識として盛り込んでください。

人材育成でまず考えるべきこと

人材育成でまず考えるべきことは、その人の自発性を育てることです。なぜなら、ただ指示・命令を待つだけでは、その先の成長がのぞめないからです。

やり方などを人から教えられるのではなく、自分で考える。これをくりかえすことで、自発性が育ち、自律につながっていきます。<自分で答えを導き出すという、考える習慣をつける

指示・命令ばかりする。最初から答えを教える。手取り足取り教える。・・・
→これでは自発的に考えて仕事をするようにはなりません。

従って、会社は考える習慣がつくように指導・支援を行います。

メンバーが悩んでいたりしたら、
ヒントを出す。役立つ情報を提供する。考えを引き出す。問題意識を引き出す。・・・

↓そうしていく中で

成功体験を味わい自信を得る(早く自信を得るためにも、得意で強みを発揮しやすい部分から始めたりします)。
目標が達成できたら、互いに喜び、さらなる挑戦を探し、継続的な成長をめざす。

人材育成のポイント

“目的”を伝える

ありがちなのが、指示だけ出してその目的を伝えないことです。目指す結果まで説明することで、より意味を持って行動することができますし、新たな効率的な行動が生み出されるきっかけにもなります。

仕事の成果のみに注目しない

成果はもちろん大切なことですが、時には意に反して上手くいかないこともあるはずです。どんな時も、その“結果”ではなく、その人が“努力した過程”に注目することでより適切な評価ができるはずです。

仕事の重要性を伝える

どんな小さな仕事にも意味があります。しかし、小さくて地味な仕事であればモチベーションも失ってしまうことがあるかもしれません。そんな時はその仕事のポジティブな面や重要性も積極的に伝えるようにしましょう。

やりがいのある職場に

仕事にやりがいを感じると、積極的に取り組み、がんばるので、成果が上がりやすくなります。メンバーの業績、ひいては企業の業績を上げるためにも、やりがいのある職場にすることが大切です。

どういうときに、やりがいが増すの?

自分の才能やスキルを生かし、成長できる

興味や好奇心、誇りを感じる仕事である

組織で必要とされ、能力を発揮する機会があり、その成果が組織に認められ、感謝される

この3つすべてが満たされるとき、メンバーのやりがいは最大限高まります。そして、やりがいを感じたときこそ、最大の成果や実績が期待できるようになるのです。

やりがいある職場を実現するための13条件

信頼と尊敬を感じ、安心感のもてる職場

不公平な差別待遇や偏見のない、公正で、誇りのもてる職場

階層が少なくフラットで、自由で、自律した関係を重視する職場

組織や地位、年代の壁がなく、話しやすい雰囲気の職場

個人と組織の目標が共有され、互いに支援し合う職場

ライバル意識より、仲間意識の強い職場

共鳴と協創が可能な協働環境のある職場

能力と意欲、才能に応じた仕事ができる職場

人によるちがい、多様性を認め、みんなの力を生かせる場がある職場

教育する機会に恵まれ、キャリア・アップが可能な職場

適切なフィードバックがなされ、モチベーションの得られる職場

働きと貢献度に応じた給与が得られる職場

業績をきちんと評価し、説明責任を果たしている職場

従業員満足度

会社において、職場環境、人間関係を含め、従業員がどの程度の満足感を得ているかの度合いのことを、「従業員満足度」と呼びます。この度合いが高ければ従業員の仕事へのモチベーションが高まり、仕事のパフォーマンスが向上。結果として顧客満足度にも繋がると言われています(こうした満足度やモチベーションの高い従業員が、企業の盛衰の決定権者である顧客に対し、満足度の高い言動をするのは当然です)。

つまり、従業員満足度は、会社の業績を左右する重要な要素となります。

人材育成の手法

人材育成の実行には、3つの手法があります。それは、OJT、Off-JT、SDの3つです。

OJT(On the Job Training)

職場内で実務経験を通じて、従業員の教育を行うことです。

Off-JT(Off the Job Training)

研修、セミナー、講座、通信教育など、職場を離れて行う従業員教育のことです。

Off-JTが必要となるケース

□新しい知識を取り入れたい

新しい知識・最先端の知識などを取り入れたいケースです。他にも、より業務を深掘りした専門的な内容、職場では学べない専門的な内容を習得したい、などもこれに当てはまります。

□指導のバラつきを抑えたい

指導のバラつきを抑えたいケースです。人事評価などが典型例です。

□繁忙期に向けた対策

少し特殊ですが、繁忙期に向けた対策としてのOff-JTです。

□会社として統一しておきたい、まとめて伝えておきたい知識

主に、新人研修などにおいて必要になってくるものが当てはまります。社会人としての常識や、取引先への対応の仕方、業界の一般知識などはOff-JTでまとめて伝えてしまったほうが効率的です。

Off-JTの留意点

□現場での学習ではないため、実践的な知識の習得が難しい(知識自体は実践的なものでも、実際の現場で利用しようと思うとまた少し違ったりするものです)。

□内容や講師などの選択が難しい。

SD(Self Development)

自己啓発。自ら、能力開発を行うことです。
セミナー参加、読書、資格取得など様々な方法を選択できます。

自己成長に関心がある方は、言わなくても自己啓発を行いますが、従業員教育に於いては、取り組まない従業員にこそ、促す必要があります。
なぜ貴方には能力強化が必要なのか、なぜその分野を勉強すべきなのか、その先には何があるのか、成長した姿を描かせながら、自ら必要性を感じるようにサポートします。

人材育成にまつわる教え

人の成長は、学ぶこと実行することの両方が大切。
実行に移すか移さないかで本当の意味での学びになるかどうかが決まります。

同じことを、藤井正隆さんも、“「いい会社」のつくり方(WAVE出版)”という著書で述べています。

人財育成には、次のような考え方が重要です。
百聞は一見にしかず:いくら人から聞いても、自分で見なければ本当のことはわからない。
百見は一考にしかず:いくらたくさん見ても、自分なりに咀嚼して考えなければ身につかない。
百考は一行にしかず:どんなに考えても、行動を起こさなければ本当のことはわからない。
百行は一果にしかず:どんなに行動しても、成果を残すまでやらないと成長しない。

もともとは漢詩の故事からなっており、故事には「百聞は一見にしかず」以降の文章については記載されていません。後世に追記または伝聞されたものなのでしょう。「聞くよりも見ること、見るよりも考えること、考えるよりも行動すること、行動を継続して成果を出すことが大切」という教えは意味深いことです。

聞いたことを話す人は物知りですが、それだけではうんちく止まりになります。
見たことを話す人は、自分の言葉で語ることができません。
考えたことを話す人は、自分の言葉で話せても裏打ちがありません。
行動したことを話す人は、経験談としては面白いですが相手を動かすところまでには至りません。成果を残した人は、語らずともまわりが認め、影響力を持つことになります。

教育の観点から整理すると、次のようになります。
百聞=講義を聞いたり本を読んだりといった教育です
百見=現場を見に行く、優良企業の視察をするといった教育です
百考=自分ならどうしたらいいかを徹底的に考える教育です
百行=アクションを起こして試行錯誤する教育です
以上のような過程を通して、「徳・志・知」を兼ね備えた人財育成を図っていきます。

<引用にさせていただいたサイト、書籍>

人材育成の目的|会社と社員のいかし方

人材を育成するために会社がすべきこと | JTBベネフィット

日本でいちばん社員のやる気が上がる会社 坂本光司著

競争に勝ちたいなら人材育成を「見える化」しなさい! 石川洋著

人材育成はベンチャーほど重要? 人材育成に欠かせない“7つのポイント”|起業tv

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